建物探訪

千葉県匝瑳市、飯高檀林跡にあります飯高寺(はんこうじ)へ行って来ました。

少々急な石段を上った先には総門
敷地内の木々で造られたのでしょうか、立派な材でこしらえた山門です。

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111山門をくぐった先にはスギの巨木が天を突く勢いで生い茂っています。
山道にはボコボコと巨木スギの根が張り出しており、根を踏まないようにと足元を気にしながら前へ。
086103一体が苔むすとまではいきませんが、所々に杉苔を見つける事ができます。
089山道を道なりに進みますと、いよいよ正面に見えてきました。
025飯高寺の講堂です。
小学校の頃、木造の体育館を講堂と呼んでいたのを思い出しました。
こちらも学僧の学び舎ですから。

たまたま見ていたNHK朝ドラ「とと姉ちゃん」でこの御堂を目にした時は心揺さぶられるものがありました。
と云いますのも、私にとりまして『幻の御堂』とこの『飯高寺の講堂』が重なり合った瞬間でもあったからです。『幻の御堂』とは数年前に私どもが提案させて頂いた設計プランですが、あの場所にあの御堂が建つ事となっていたならば、おそらくこの様な感じではなかっただろか、、、という思いからでした。

何処にあるのかと調べれば、千葉県匝瑳市。
地元・千葉県にこんな所があったのかと驚きでした。

115044さて、講堂は華美な装飾は一切なく、素朴さ、息をのむ程の大らかな構え。
一見すると檜皮葺きか何か、と思い後々調べてみるとトチ葺きとの事でした。
この屋根材にも興味が湧いてきますが、一枚一枚の板を竹釘で仕上げていく作業、この屋根の大きさからしてどの程度の人工が掛かったのだろうか、と古に思いを馳せる一方で現実的な疑問も湧いてきます。
蓑甲部分の曲線が何とも美しく仕上がっている事に感心させられます。
また苔が屋根材の表面をうっすらと緑に染め始め、講堂とこの地の自然とが共存している様です。
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この地で学んだ古の学僧たちが、各地へ散り優秀な僧侶となったのだろうと思いを馳せながら、あちらこちらと散策し気が付けばおおよそ2時間が経っていました。
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今日は本当に素晴らしいものを見せて頂きましたと合掌。
清々しい気持ち、また明日への活力を頂いてきました。
講堂を遠く後にしても何度も振り返り名残惜しくこの地を後にしました。

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