都へ

これから始まります工事の打ち合わせで東京へ。

デザイン性を競い合っているファッションビル。
目をひきます。
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打ち合わせを終え、現場監督と2人、
『根津美術館』を巡ってきました。
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こちらは美術館だけではなく広大な庭園も見どころとなっており、
庭園内には茶室が設けられていました。
私の大好きな分野です。098
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茶室の客待ち。
思い切った軒の低さ、たっぷりと出た軒。
背もたれ部分の板は杉の赤身一木で作られている。
一見、質素でありながら、品の良い佇まい。

大工になり
茶室に心ひかれ
いつしか自分の手で作れたなら、、、
と憧れ続けています。

22年前の事。
先ずは「茶の心、作法を学ばなくては」と思い、稽古に通っていた時期もありました。
忘れもしません、毎週水曜日。

時間ギリギリまで仕事に追われ、汚れた作業着で行く事もしばしば、
仕事が時間通りに終わる事も少なくありません。
その日はあらかじめ打ち合わせが入っていたので遅れる連絡を入れたところ
「お待ちしています」と、先生の返事。
しかしながら、少し遅れるつもりが、2時間の大遅刻。
そんな中でも 玄関を一歩入れば「鶴岡さ~ん、お上りになって~」と奥から朗らかな声。
嫌な顔一つ見せず、いつもの通り着物を着て生菓子を用意して待ってくれていました。
2時間も遅れてきたことに平謝りをすると「鶴岡さ~ん、これも茶の心ですよ」と云った
先生の言葉にいたく感動した事、忘れられません。

先生の持病であるリュウマチが進行し教室を続ける事が難しくなり、
私も5年間続けてきた稽古をやめる事となりました。

その際、茶道具箱に添えられていた先生の句。

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養護学校の教員を退職後、自宅で教室を開かれた先生。
習い始めの頃、一週間経てば作法の手順も忘れてしまう始末、
出来の悪い生徒を教えるように根気よくご指導下さったのを思い出します。
現在では施設でお過ごしの事。
念願の茶室を作る事が出来たなら、いの一番に招待したい恩師です。

 

 

 

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